秋に咲く野の花 2001年、2002年に撮影したものは名前が黒色、2003年撮影のものは緑色となっています。
ツルリンドウ クルマバハグマ オオアキギリ
つぼみの段階ではヤブマメかヒルガオのような感じでした。花が開いてびっくり。なかなか出会えない花の姿がそこにあったのですから。 丸く輪になった大きな葉といい、花火のような花といい、とても個性的です。それにしても、つぼみの段階から花が咲くまで長かった。 パカッと開いた紫色の花、独特の形をした葉。一度見たら忘れることのない秋の野の花です。町内の山間部の山すそで見かけました。
ヒヨドリバナ ジャコウソウ クサボタン
いつも秋に咲く花が2カ月以上も早く咲きました。今年は全体に早いけれど、あまりにも早い花期のおとずれは怖い気がします。
(2002年6月17日)
雑木林のすそにひっそりと咲いていました。斜め下に咲いていたので、花のなかをのぞき込んでみたくなりました。 尾神岳の展望台へ行く途中に見つけた花。見つけた数本のうち、なんとか花が残っていたのはこれだけでした。個性あふれる花です。
アカソ イノコズチ ヤブハギ
夏の暑い盛りに杉林の中で咲いていました。図鑑では秋の花となっています。近くにはヤブハギ、イノコズチもありました。 秋に林やヤブの中を歩いていくと衣服に付着するものがありますね。その1つはこの実です。 杉林のすその草の中からかわいい紫色の花が一本すっと出ていました。一見ネジバナ風、調べてヤブハギと分かるまで数時間もかかりました。
オトコエシ ホソバアキノノゲシ ヨモギ
オミナエシをさがしていたらありました。大下・名木山林道沿いに咲いています。 道端にすっと立っているこの花、アキノノゲシと違うのは葉の形です。縦長の写真ならご覧いただけるのですが…。 ここ10数年の間に消えた風景の1つがこのヨモギを乾燥させる仕事風景です。ヨモギとドクダミの乾燥が農家の副収入となった時代は終ってしまいました。
イヌホウズキ ゲンノショウコ タカサブロウ
わが牛舎の近くの道に咲く花の1つです。ワルナスビの仲間かなと思ったのですが、花の大きさも葉の形も違いました。こちらの方がスマートです。 この花も薬草です。ばっちり咲いた花がとてもかわいい。昔は乾燥させたものを煎じて飲んでいました。薬効は下痢止め。 わが牛舎の周りではいろんな花が咲いて散っていきます。8月に咲いたこの花の名前、発見した人の名前なのでしょうか。
ヌスビトハギ ボタンヅル シラヤマギク
これは花のうちはいい。しかし、実がつくようになると、衣服にくっついてひどい目にあいます。 つる性の花のなかでは目立つものの1つです。車を走らせていても分かりますね。 「なんだ、ヒヨドリバナか」と一度は通り過ぎたのですが、バッチリと開いた白い花に引き戻されました。田んぼ道の土手に咲いていました。
カラハナソウ クサネム エノコログサ
ビールのホップと同じ仲間。昨年、この野草が町内にもあることを初めて知りました。花は、今年初めて見ました。(2002.8) 葉がネムノキの葉と似ています。田んぼや川の土手などに生えています。 穂は花のかたまり。子どもたちが大好きな花です。私は、夕日を浴びて金色に光ったエノコログサが気に入っています。
ケナシミヤマシシウド ススキ ツルボ
緑色の草に囲まれている時、この花はとても目立ちます。近づくと、落下傘状についている小さな花がかわいい。 秋の七草の1つ。日本人の暮らしとの結びつきでは、この野草が一番でしょう。わが家の屋根にも使ったことがあります。牛のエサとしてはレントコーン並みの栄養分を含んでいます。 キツネノカミソリのそばにぽつりぽつりと咲いていました。地下から茎がにょきんと出て、その先に花が付いている感じです。
ヒメムカシヨモギ ヤブツルアズキ アブラガヤ
花は、ホウキの先のような感じ。わが牛舎の周辺にたくさん咲きます。栄養がいいのか、2メートル近い背丈のものもあります。 最初、アズキの花かと思いカメラを向けたらツルが目にとまりました。町内では、道端に咲いていることがあります。 カヤツリグサの仲間。油色の穂が目立ちます。
イヌタデ ヒナタイノコズチ オミナエシ
この花を見ると、「蓼食う虫も好き好き」という言葉をすぐ思い出します。蓼は辛いといいますが、まだ一度も噛んだことがありません。 わが牛舎の周辺には次々といろいろな花が咲きます。写真を撮り始めてからその多さに驚いています。この花もその1つ。 オトコエシはあちこちで見かけるが、オミナエシはなかなか見つかりませんでした。秋の七草の1つなのですが…。
カナムグラ カラムシ カワラケツメイ
葉や茎はとげだらけ。草刈りの時にも邪魔になる。そんな草でも8月の下旬には、かわいい花をつけます。 子どもの頃、この草の茎の皮をむいたことがあります。どこの家でもこの皮を集めていました。 クサネムにそっくりですが、花の形が違います。荒地にたくさんあります。
キンエノコロ ツリフネソウ ハキダメギク
私にとってキンエノコロはキツネのしっぽのイメージです。今年の3月にも、雪原を走っていくキツネを見ました。しっぽを後ろにまっすぐ伸ばした姿は、かっこよかったなあ。 秋の花の中で大好きな花の1つです。この赤紫の花の奥には蜜があるといいます。一度、口に入れてみたい。 ハキダメなんてかわいそう。そばで見れば、フリルのついた小さな花は、かわいらしくて最高です。
ツルマメ ハシカグサ ベニバナボロギク
日当たりのいい道端に咲いています。大豆は、このツルマメを改良してできたといいます。 少しジメジメした山すそでひっそり咲いていました。歩いていても見過ごしてしまう場合が多いと思います。 花が重いのか、それとも恥ずかしがりやなのか、いつも下を向いて咲いています。人間にも、そういう人がいますよね。
ミズキボウシ アメリカアゼナ イヌトウバナ
田んぼの土手に群落を見つけました。所有者が花をすきなのでしょう、草を刈らずに花を残してありました。 花の色はもう少し紫がかっているのが多い。アゼナと違うのは葉の縁にギザギザがある点です。正面から見た花は、小鳥が羽を広げたように見えます。 シソ科には似た花がいっぱいあります。この名前にたどりつくまでには、ずいぶん時間がかかりました。多分、これで間違いないと思うのですが。
ウリクサ オオイヌタデ オオクサキビ
数ミリの小さな花の世界は、立ち止まり、しゃがんでよく見ないと覗くことができません。最近は、この世界にも興味がわいてきました。 林道の草刈りあとに残っていました。背が大きく、先の曲がった白い花は目立ちます。 出会ってまず驚くのは茎の太さです。この草は改良されて飼料作物になっているのでは、と思います。
オオハンゴンソウ キツリフネ クルマバナ
町内のどこでも見かけます。大きくて目立つ割には関心度が低い花、そんな気がします。 図鑑でしか知らなかった花です。さがしてみたら、ツリフネソウの近くで咲いていました。葉の下にぶら下がっている様子は正に神業としか言いようがありません。お見事。 緑の草むらにピンクの花を見つけ、車をとめました。斜め上から見ると、花が輪になって咲いていて、とても賑やかです。
コケオトギリ サワトラノオ スズメウリ
オトギリソウに比べれば草丈もないし茎も細い。何となく貧弱そうに見えますが、花はオトギリソウに負けないくらいはっきりしていてかわいい。 トラノオにはいくつも種類があります。この花は文字通り、沢に近いジメジメしたところに咲いていました。 山の、どちらかと言えば北向きの斜面で見つけました。葉、茎、花の特徴はスズメウリとピタリなのですが、花の数が多いので、名前が合っているかどうかちょっと心配しています。
ネコハギ チヂミザサ メドハギ
杉林の縁に広がって咲いていました。チョウのような形の花と丸い葉に特徴があります。 葉の形がちぢれた笹のようになっています。この実には粘液があり、一度くっつくとなかなか取れません。 ネコハギと同じ日にこの花を撮りました。葉の形がネコハギとは違いますが、花はそっくりです。
イヌガラシ イシミカワ タチアザミ
どこにでもある花です。全体の印象としてはいまひとつなのですが、踏まれても倒れてもまた起き上がってくる力強さがあります。 道路わきで見つけました。青いのは実です。鮮やかな色の実に惹かれ、花をさがすのを忘れてしまいました。薄緑のボール状のものに花が付くはずなのですが。 薄暗い杉林の下で薄いピンク色の花を咲かせていました。アザミの中では、一番姿勢がよく、ナンブアザミと同じくらい気に入っています。
アオゲイトウ イヌビユ オオバコ
イヌビユとそっくり。名前を確定するまで何度も図鑑とにらめっこしました。葉の先がくぼんでいるかどうかで区別しました。 こちらは葉の先がくぼんでいるのが特徴です。アオゲイトウとは同じヒユ科の仲間ですが、いつどこで分化したのでしょう。 おなじみのオオバコです。この花も人間によく踏まれます。薬草として覚えている人が多いですね。
オヒシバ シロバナサクラタデ タマガヤツリ
オヒシバは漢字で雄日芝と書くそうです。夏のかんかん照りでも元気いっぱいの草です。 わが家の牧草地に突然あらわれた美女。最初はオオイヌタデだと思ったのですが、そばへ行って見てびっくり。サクラそっくりの美しい花です。 これも牛舎わきでみつけた花。球状の穂が特徴です。湿地にたくさん自生しています。
ツルニンジン ノアズキ ヤブマメ
林道わきで見つけた花です。そばにはゲンノショウコやツリフネソウが咲いていました。これまで町内ではなかなか出会えなかった花です。 町内ではヤブツルアズキしかないとあきらめていたのですが、イシミカワのそばで平たい実を見つけ大喜びしてしまいました。葉と実の形がヤブツルアズキと違います。 ツルマメより2週間ほど遅れて見つけました。紫色の細長い花が特徴的です。
アシ イボクサ チョウジタデ
ヨシ。昔、わが家の畑のあった場所を「ヨシワラ」と呼んでいました。スイカ、マクワ、キュウリなどたくさん採れました。畑の近くには茎の太いこのヨシがいっぱいありました。 農道で見つけた花です。見つけた前日にも、同じ道を歩いたのに、その時は咲いていませんでした。たった一晩で咲く。野の花には、こういう展開もあります。だから面白い。 田んぼで見かけました。どちらかといえば、邪魔者扱いされる草ですが、独特の姿をみると、かわいくなります。
ヤマトリカブト アキノウナギツカミ ノダケ
山間部の土手に咲いていた美しい花。これが毒草だなんて、とても信じられません。わが町にはオクトリカブトもあると聞いています。 なんでこんな名前がついたのか、調べてみたら、茎にあるトゲがもとになっているようです。このトゲいっぱいの茎でウナギをしばれば、逃げられないかも。 今年、2002年に初めてであった花の1つです。背が高く、茎がとてもしっかりしています。そばにはタチアザミが咲いていました。
サワヒヨドリ ハコベ アメリカセンダングサ
ちょと湿っぽい場所に、すくっと立っていた花。ヒヨドリバナに似ていますが、葉の付き方が違います。こちらには柄がありません。 この花の名前を特定するのにずいぶん時間がかかりました。こちらも湿ったところが好きなようです。 名前で帰化植物だというのがすぐ分かりますね。いまや、道ばたや荒地にはびこっています。花は小さく、あまり目立ちません。
クワクサ シラネセンキュウ センニンソウ
細かい花が葉の脇から出た枝に団子になって付いています。葉はクワにそっくりです。 さがし続けて約3週間、尾神岳のふもとでやっと見つけました。近くには清水が流れていました。しかし、セリ科の花はみんな似ていますね。 花はボタンヅルとそっくりです。ただ、こちらの方が咲くのがちょっと遅いようです。葉の縁にはボタンヅルのようなギザギザがありません。
ヒガンバナ アカバナ アキノキリンソウ
今年もお彼岸に間に合うように咲き始めました。この花の大群落を初めて見たとき、死ぬ間際に見るという美しい花はきっとこの花に違いない、と思ったものです。 カラハナソウの花がどう変わるか見に行き、見つけた花です。側溝のそばで咲いていました。湿り気のある場所が好きなようです。 秋に咲く黄色の花の代表の1つです。黄色の花が下の方からフワフワと湧き出てくるような感じで咲いています。別名アワダチソウ。
クロバナヒキオコシ コシオガマ サラシナショウマ
山間地の土手に咲いていました。黒紫色の花はとても小さく、野に咲く花を探そうという気持ちをもっていないと、なかなか見つけることはできません。 なんとなく弱々しい感じの野草ですが、赤紫色の花がとてもかわいらしく、そっとしておいてやりたくなります。 ビラ配りの時、土手からニョキッと出ているこの花に出会いました。野の花にはいろんな花がある。ほんとにそう思います。
ノコンギク ハナタデ ブタクサ
秋に咲く野菊の代表と言ってよいでしょう。花も茎も葉もしっかりとしていて貫禄があります。 イヌタデとともに秋の道ばたを飾ってくれる花です。穂先に付いている花は、硬くしまっているように見えますが小さく咲いています。 1メートルくらいの背丈がある大きい草です。日当たりの良い道ばたで見かけました。帰化植物。ブタのエサにでもなったのかな。
ママコノシリヌグイ リンドウ ミゾソバ
こんな恐ろしい名前を誰がつけたのでしょうか。確かに茎についたトゲはするどく、痛い。でもこのかわいい花を見たら、かわいそうです、この名前では。 リンドウの紫色の花を見るたびに思い出すのは高田浩吉です。ちゃんばら映画の主人公の口にくわえられた一輪の花。敵をバッサバッサと切り倒す姿は今も私の脳裏に残っています。 花もいいが葉もいい。わが牛舎の近くにいっぱいあります。葉の形が牛の顔にそっくりなのでとても親しみを感じています。
イヌコウジュ オオアブラススキ オオハナワラビ
シソ科。ヒメジソとは瓜二つですが、微妙に違っているのは葉のギザギザの数。こちらは6から12個ついています。 林のすそで見つけました。バックが暗くなるようにして撮影しました。 林道を車で通っていたら目に飛び込んできました。花の形が個性的で珍しいのでしょう、鉢植えにしている人もいます。
カゼクサ キクイモ コナスビ
カスミのような花。下からのぞいて大空の中に花を置かないと、どんな形をしているか見えません。 別名カライモ。花よりも地中のできるイモの方が知られています。歯で噛み切ったときの感触がとてもいい。 夏の花だと思っていたのですが、この秋に道ばたで見つけました。黄色いしっかりした花が気に入っています。
コブナグサ セイタカアワダチソウ チカラシバ
小川沿いにびっしりと咲いていました。チヂミグサに似たところがあります。 この花はいつ日本にやってきたのでしょうか。子ども時代に、この花を見た記憶はありません。10月の中旬になると川の堤防、荒地などはこの花に占領されてしまいます。 道ばたのどこにでもある花、というよりブラシと言った方がいいかな。男性的な力強さを感じます。
ヒメジソ メナモミ ヤクシソウ
イヌコウジュより葉のギザギザが少ないのが特徴。こちらは6個以内です。花はタヌキのような顔をしています。 花の周りの葉も、茎も白いモジャモジャした毛でいっぱいです。町内では神田町でしか見たことがありません。 秋の道ばたを黄色く染めてくれるのはこの花です。咲き終わると、花はうなだれていて、淋しそうに見えます。
カントウヨメナ ゴマナ サクラタデ
田の畦でかたまって咲いていました。ノコンギクと同じ時期に咲いています。 写真は花全体のごく一部です。山の斜面などに咲いている姿は壮観で、迫力満点です。 花が一回り小さいシロバナサクラタデはわが牛舎のそばにたくさんありますが、この花にはなかなか出会えませんでした。本当に桜にそっくりです。
オヤマボクチ タイリンヤマハッカ ユウガギク
最初はタチアザミかと思ったのですが葉や花の大きさが違います。とにかく大きい。杉林の端に咲いていたこの花には重量感がありました。 秋が深まる中で見つけた花。山の中の小川のそばで咲いていました。ひょっとしたら秋に咲く野の花としては最後かもしれません。 シロヨメナをさがしていて出会った花。同じような野ギクがいくつもあるなかで、この花を特徴付けるのは切れ込みのある葉です。
センブリ ダイモンジソウ ホトトギス
昔から胃腸薬として聞いていたし、実際飲んだこともあるのに、花を見たのは今年が初めてでした。花が少なくなる時期に、こんなかわいい花が咲いている。うれしかったです。 岩場で沢水が流れている所をさがしました。花びらは大という文字になっているのが特徴。町内でもけっこう見ることができます。  杉林の中を歩いていて、踏みそうになったのがこの花。園芸種は見ているが、自然のものが一番。かわいい花です。
キッコウハグマ ウメバチソウ
近くの山林で見つけました。白い花びらのそり返りでハグマの仲間だと直感しました。 収穫の秋が終わろうとしているとき、田んぼの畦で見つけた小さな白い花。清楚でかわいい花。
「野の花」一覧へ戻る トップページへ