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区出身職員割合31%に激減。総合事務所の在り方新方針に厳しい批判

 昨日の総務常任委員会で上越市は、「将来的な行政組織の再構築に向けた総合事務所の在り方」について、新たな方針を明らかにしました。これは大島、浦川原、安塚の3区で今年度から試行しようとしていた基幹的総合事務所への産業建設グループの集約化が関係地域住民からの激しい反対にあって取り組めなくなったことを受けて、これまでの方針を練り直したものです。

 新たな方針は、「総合事務所をいくつかのグループにまとめ、区別に実施している産業建設グループの業務を、グループ内の一か所の総合事務所に集約する」「申請・届出の受付や、相談・苦情の対応は従来通り総合事務所で実施する」「すべての総合事務所に農業委員会事務局の区駐在室を継続設置し、対応する」というもの。そして、現段階での試案として、旧東頸城(大島区、浦川原区、安塚区)、旧頸北(柿崎区、大潟区、頸城区、吉川区)、旧東頸・頸中・頸南(牧区、中郷区、板倉区、清里区、三和区)、旧西頸(名立区)の4つのグループ分けを示しました。

 新たな方針では、大島、浦川原、安塚の3区で今年度から試行しようとしていた「ブロック化」「基幹的総合事務所」という表現をやめ、「グループ内の一か所の総合事務所」に集約することにしたほか、農業委員会駐在室の継続設置を打ち出しました。市当局は、今回の方針に基づく取り組むことによって、「災害発生時の迅速かつ機動的な対応」「職員同士の情報交換による資質の向上」などの効果を期待できるとしています。

 これに対して委員会では委員長を除くすべての委員が質問に立ち、約3時間に及ぶやり取りが行われました。

 私からは、「なぜ大浦安での試行がうまくいかなかったか、そこからまず学ぶことが必要だ。うまくいかなかった背景には関係地域住民からの行政に対する信頼感の喪失がある。これは地域事業費制度の見直しなどが影響した。住民のみなさん方の声を聴いて、これからどうしたらいいかを中心にして議論していかないと今回もうまくいかないのではないか」「総合事務所の職員のうち、区出身者の割合は昨年4月の49%から今年4月には31%になった。地域のみなさん方の不安を人事異動で作り出している。これで再編なんて言っても無理がある。そもそも区出身者をどれくらい置くべきかが明確になっていない」「来年4月から13区で一斉に実施するというが、大浦安での試行でめざしたものは机上の議論だけで確認できるのか。まず試行、そして検証する。そのうえで実施とすべきではないか」「市民・議会・行政が一体となって真摯に議論するというが、その前になぜわざわざ『観念的・情緒的になることなく』なんて言葉を入れたのか。思い上がりではないか。削除すべきだ」などと質問しました。

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 私が質問の中で、区出身者の割合が大きく落ちていることを明らかにしたことは他の議員からも注目を集め、「初期の迅速な対応ができなくなる。都市内分権をすすめていくうえでも問題だ」なども声も上がりました。また傍聴していた議員からは「コピーをほしい」という声も寄せられました。来年度からいきなり実施ではなく、まず試行、検証、そのうえで実施するとなったら実施に移すという提起や「観念的・情緒的になることなく」という文言の削除要求も共感を呼びました。

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 昨日の委員会審査では、新たな方針の進め方は拙速であるなどいくつもの問題点が浮き彫りになりました。担当部長からは一定の修正を示唆する発言もありました。行政側では、今月の中旬から地域協議会や町内会長協議会などに説明するとともに意見交換を行うとしていますが、今回の委員会で問題点を多く出された以上、まず新たな方針を再検討し、地域協議会などでの説明の前にもう一度、総務常任委員会に示すべきだと思います。そういう丁寧さがないと、新たな方針も失敗に終わるでしょう。

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2012年07月10日 07:51に投稿されたエントリーのページです。

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