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景観条例改正案をどう見るか、どうするか

 市議会総務常任委員会(栗田英明委員長)は15日、市が提案した景観条例改正案を審査した結果、「継続審査」としました。「継続審査」(けいぞくしんさ)というのは、議会会期中に議決されなかった案件を、次の会期で引き続き審査することをいいます。昨日の委員会では私を含め10人の委員が「継続審査」に賛成しました。反対は飯塚義隆委員ひとりでした。

 委員会の審査では、現在の条例の前文にある「春日山城跡や高田城跡、五智国分寺」など固有名詞をはずして「歴史的な資産やまちなみ」と表現することにたいする異論や同じく前文に総合計画の将来都市像、「海に山に大地に 学びと出会いが織りなす 共生・創造都市 上越」を盛り込むことへの反発などが出ました。栗田委員長は採決前に休憩をとり、委員間で対応策を協議しました。その結果、前文の一部を「歴史的な資産やまちなみ」とすることについてはほぼ全委員が疑問視、「継続審査」とする方向となったのです。再開した委員会では、これを受けて、「継続審査」と決定しました。議会での正式決定は26日の本会議で決まります。

 ここで問題となった前文の箇所を見てみましょう。

 現条例の文面は、
春日山城跡や高田城跡、五智国分寺などの歴史的遺産をはじめ、雁がん木、寺町、加賀街道の松並木に代表される歴史的まちなみは、いにしえの面影を今も私たちに伝え、広大な日本海や雄大な南葉の山々、そして山里のたたずまいや久比岐野に広がるのどかな田園風景は、上越市の原風景として、私たちの心のよりどころとなっている」

 改正案の文面は、
歴史的資産やまちなみは、いにしえの面影を今も私たちに伝え、広大な日本海や雄大な南葉の山々、そして山里のたたずまいや久比岐野に広がるのどかな田園風景は、上越市の原風景として、私たちの心のよりどころとなっている」

 まずは2つの文を読み比べてみてください。どうでしょうか。私は、わかりやすさという点からみて、文句なしに現条例の文面がいいと思います。委員会では「遺産」がいいか、それとも「資産」がいいかという議論がありました。上越市の景観計画などで「資産」という言葉が多用されているように、「資産」という言葉を使うことは間違いではありません。大いに使って結構です。でも、使い方が問題だと思うのです。景観「資産」のなかには、建造物もあれば、高田の雁木のようなまちなみも、さらには久比岐野の田園風景なども入るのです。そのことを考えれば、改正案の文面はおかしいと思います。

 では、どうすればよいか。現条例の文面をそのまま使うのが一番だと思います。どうしても、改正案を使って修正したいということであれば、「歴史的資産やまちなみ」を「歴史的建造物やまちなみ」とするということになりましょうか。みなさんのご意見をお寄せ下さい。

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2010年03月16日 05:32に投稿されたエントリーのページです。

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