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柏崎刈羽原発再稼働反対の請願、委員会では採択ならず

 昨日は私が所属している総務常任委員会でした。まずは、「つなげよう脱原発の輪 上越の会」(代表は植木史将さん)が議会に提出していた「柏崎刈羽原発の再稼働を認めないよう求める請願」の審査状況からお知らせします。審査の結果、私と石平委員が賛成したものの、他の5人の委員が反対し、不採択となってしまいました。

 同請願は、「柏崎刈羽原発は、中越沖地震で甚大な被害を受け大事故寸前になった。そして柏崎刈羽原発の周辺には活断層が存在し、今でも原発の構造上安全とは言い切れない状態である」が、政府と東京電力が再稼働を計画しているので、市民の生活と市民の命を守るために市議会から関係機関に柏崎刈羽原発の再稼働は認められないという意見書を提出してほしいというものです。

 昨日の委員会では植木さんが意見陳述。植木さんは請願書を提出後も柿崎区などで署名活動を続けていることを明らかにした後、「原発を語るうえでフクシマを外すことはできない。福島ではお父さんと子どもが遠く離れ離れでの避難生活を強いられている家族はもちろん、いまだに被曝を続け放射能の脅威に怯えながらその場で子供を育て、生活しているお母さん方がたくさんおられる。実際に、将来甲状腺がんに発展する可能性のある『のう胞』が大勢子供たちから見つかっている。波江町では世帯数が 1.5 倍超に激増。これは家族がバラバラなっていることを意味する。また、避難先の二本松市に作られた小中学校に通う児童生徒の数は事故前の20分の1以下だ。子どもたちのいない町にどんな未来があるでしょうか?今朝のニュースでは、原子力規制庁が安全基準が決まる来年7月を待たずに、前倒しで事前調査に入ることを決めた。(柏崎刈羽原発の)再稼働の準備は着々と進んでいる。市民の生活といのちを守るために、そしてこのふるさと・上越を守るために、『再稼働に反対』の明確な意思をしてください」と涙ながらに訴えました。

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 意見陳述の後、若干の質疑が行われ、その後、各委員が見解を表明しました。私はトップに発言を求め、「柏崎刈羽原発は中越沖地震によって3665件の事故・故障が発生した。地震当日、2号機では水位を調節するポンプが故障し、かろうじて全号機が冷温停止したのは21時間後で、一歩間違えば冷却できず爆発の危険もある状態だったという。ともすれば、福島原発事故よりも先にここで爆発が起きていた可能性がある。また、原発周辺には活断層がいくつもあり、いくつかの断層が連動する可能性も指摘されているし、専門家の話では原発直下にも活断層があるともいわれている。さらにもう一つ、原発の30キロ圏内には80万人もの人たちが暮らしていて、事故が起きても逃げようがない。いま止まっている原発は二度と動かしてはならない」と訴えました。

 石平委員も賛成の立場で発言しました。石平委員は、「請願者の趣旨を聴いていて、ぜひ採択すべきだと思う。請願の趣旨を超えた部分で質疑があったが、請願を審査する時、柏崎刈羽原発の特異性を考える必要がある。橋爪委員が指摘したこともある。それから、最大の出力を持つ原発でリスクの分散が無い。中越沖地震によって施設の内部に様々な問題が発生して、それが安全であるという実証的な確認がなされていないし、そもそも確認はできない。そういうなかでこれを稼働させることはあってはならないことだ」とのべました。

 そのほかの委員の発言はすべて不採択の立場からのものでした。各委員からは「上越市民の不安はよくわかるが、あそこでの雇用の問題や地域経済のことを考えると、いますぐ再稼働だめということには賛同できない」「(代表の植木さんが委員の質問に答えて、『再稼働は現段階だけでなく、ずっと認められない』とのべたが)私は現段階では稼働は認められないという立場だ。したがって請願に賛成できない」「原発が(福島で)なぜあれだけの事故が起きたかというと、事故で止まった時に冷やすことができなかったからだ。柏崎刈羽原発については、県の津波のハザードマップ以上の防護壁をつくっている。そして電源車と冷やさなければいけない電気のもとも今、確実に整備してきている。それに(止めておいたら)経済状態はどうなるか。いまの状況の中で電気代が上がったために企業の空洞化は絶対に起こる。(原発以外の火力などを使った場合に)温室効果ガスがどうなるかも危惧している」「上越市議会としては昨年6月に、国に意見書を出している。3.11の事故については徹底的な調査、評価、迅速な情報開示をしてくださいとしている。すでに出しているのだから、それ以上でも以下でもない。今回の意見書提出は必要ないと思う」などとのべていました。
 
 不採択の理由としては、こんなことでいいのかと思う発言がいくつもありました。例えば、原発を稼働しないと無責任になるとの見解です。私は、政治家として本当に責任ある態度は放射能の危険性から市民の命を守ることだと強調し、「原子力委員会が福島の事故と同様の過酷事故が起きる頻度は10年に1回としている」ことを紹介、こういう危険性があるものを再稼働させることこそ無責任だとのべました。また、廃炉を決めたあとでも原発での雇用はあること、今夏の猛暑でも「電力不足」にならなかったことについても追加発言させてもらいました。

 昨日の委員会は請願団体などから大勢の傍聴者がありました。そのなかには初めて議会を傍聴された方も何人かあったようです。その一人の方が傍聴した感想をブログに書かれています。ぜひお読みください。

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2012年12月08日 12:17に投稿されたエントリーのページです。

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