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デマンドバスはドア・ツウ・ドアで運行が当たり前


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 おはようございます。今朝は岡山県高梁(たかはし)市からの発信です。こちらは雨が降って、静かになっています。

 昨日から3日間、総務常任委員会の視察に出ています。柿崎駅で電車に乗ったのが午前6時24分、岡山県の備中高梁駅に着いたのが午後2時33分、じつに8時間にも及ぶ長旅となりました。でも、高梁に来て良かったです。中山間地域における公共交通をどうしたらいいかをたくさん学ぶことができたからです。昨日のテーマはデマンド交通についてでした。

 新高梁市は9年前に周辺の4町と合併して出来た市。人口は約3万5000人のまちです。面積は547平方キロ㍍、上越市の半分です。高齢化率は36.1%という高さで、旧備中町については50%を超えているとのことでした。でも、みなさん元気でした。この高い高齢化率を逆手にとって高梁の取組が全国のモデルとなるよう頑張っているのです。定住に力を入れ、子ども医療費は18歳になる直前まで無料、高校生の通学費は2分の1補助、そして地域おこし協力隊は旧4町のうち3町ですでに隊員を配置し、残りの1町も1名が内定していると言います。

 こうしたなかで公共交通はどうなっているか。民間の4条路線バス、市の生活福祉バスが走り、それと「ふれあいタクシー」とか「乗り合いタクシー」と呼ばれている10人乗りのデマンドバスが山間部の5地区で運行されています。デマンドバスを導入は、バスの停留所まで歩いていくことが困難な高齢者などをどうするかが出発点だったそうです。家から出てバス停まで歩くのが大変ですから、買い物をして、その荷物を持ってバス停から家に戻るのも大変です。だから、デマンドバスはドア・ツウ・ドア、自宅送迎型の乗り合いタクシーにしたというのです。利用料は場所によって300円から700円かかりますが、これで病院通いも買い物もできる。多くの市民から喜ばれていることがわかりました。

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 市の担当者の説明を聴いた後の質疑応答は活発でした。私は上越市の山間部でバスの行かない集落を思い浮かべながら、ドア・ツウ・ドアの考え方、旧高梁市内にも広げようとしている「公共交通空白地」対策について訊きました。高梁市では「デマンドバス=家まで行く」ととらえていて、周辺市町村でもこれが当たり前になっていることがわかりました。デマンドバスは事前予約制が原則ですが、高齢化が進み、電話をかけることも面倒くさがる人も多く、事情を承知している運転手が予約を取っているケースが多いこともわかりました。同市では、バス停から400メートル以上離れている地域、400㍍以内でも1日に1回しかバスが通らない地域については、「公共交通空白地」としています。こうした地域の住民は、路線バスの利用がぐっと減り、「外出難民」になりやすいので、今後、計画的にデマンドバスを入れていきたいという説明に、「これが本当の市民サービスだ」と思いましたね。「補助金を出していながらも、乗車している人がいないことの多いバスを運行するよりも必ず人が乗っているバスを運行する方が住民感情もいい」という言葉もうなずけました。
 
 昨日の午後、母が退院しました。病院にいた妻からの連絡によると、体を起こして食事もできるようになったと言います。これで一安心しました。

 さて、きょうは視察の2日目。山口県下関市まで足をのばし、市立しものせき水族館、「海響館」を視察してきます。老朽化している上越市立水族館をどうしたらいいのかについて考える参考になればと期待しています。

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2013年07月03日 06:45に投稿されたエントリーのページです。

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