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柏崎刈羽原発運転差し止め請求訴訟の訴状

 新潟市在住の地学団体研究会メンバーの方から柏崎刈羽原発運転差し止め請求の訴状などの資料を送っていただきました。この請求は本年4月23日に行われたものです。

 このうち訴状を昨日から読みはじめました。訴状は全体で111ページにも及び、7章で構成されています。第1章は総論、第2章は被告 による人災・福島第一原発事故と安全性の立証責任、第3章は地震・地盤による本件原発の危険性、第4章は地震がもたらす原子炉設備の危険性、第5章は本件原発による事故被害の深刻さ、第6章は被告に本件原発運転の資質も能力もない、そして最終章は結びです。私は柏崎刈羽原発の再稼働に反対するものの一人ですが、この訴状は柏崎刈羽原発を知る上で必読文献だと思いました。初めて知ったこと、市民に強く訴えていくべきポイントなど参考になることがいくつも書かれています。

 たとえば、第5章の85ページ、86ページに「これら7基の原子炉は、幅2kmの敷地内に並列しているが、他の原子炉の事故の影響を防ぐ手段は講じられていない。そのため、仮に一つの原子炉が制御不能に陥ると、影響を受ける他の原子炉も放棄せざるを得ず、過酷事故が連鎖的に発生する」という記述があります。このことはあまり知られていません。

 そして私が注目したことの一つ、地震・地盤問題は第3章に書かれています。「本件原発の周辺一帯は活褶曲地域であり、本件原発の敷地は真殿坂断層によって貫かれていて、原子炉建屋直下にはα断層、β断層など多数の断層が存在しており、2007年の新潟県中越沖地震の際には本件原発の敷地内において地盤の隆起・沈降が確認されている。また、新潟県中越沖地震の際には本件原発の敷地内において地盤の液状化現象が発生したことも確認されている。これらのことからいって、本件原発は『十分な支持性能をもつ地盤』に設置されているとは言い難いものである」(21ページ)、「本件原発周辺において地震が頻発する基本的要因は、本件原発が変動帯の中に位置しており、日本海東縁歪み集中帯の真っ只中に存在しているということにある」(29ページ)という主張を読み、あらためて「絶対造ってはならないところに原発が造られた」と感じました。

 まだ拾い読みしかしていませんが、この訴状は法曹界のみならず原発関連の科学者の知見を総結集して作成されたものだと思いました。そして本訴状には文学者の言葉や作品も引用されています。引用されたのは大江健三郎の言葉と井上ひさしの『父と暮らせば』です。これにはびっくりでした。心を揺さぶられます。ぜひご一読ください。下線の付いた部分をクリックするとお読みいただけます。

 市政レポート1561号、及び「春よ来い」の第211回、「一日花」を私のホームページに掲載しました。


 

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2012年07月16日 07:16に投稿されたエントリーのページです。

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