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文化人

 今朝の新潟日報のコラムを読んで、アッと思ったことがあります。佐渡は相川に住んでいた磯部欽三さんの人柄というか、人との接し方について再発見があったからです。コラムには、作家の瀬戸内寂聴さんが世阿弥の晩年のことをテーマにした小説『秘花』を書くために佐渡を訪れた時、磯部さんは瀬戸内さんの案内をし、資料を提供したとありました。じつは、35年前、私が卒業論文を書くために相川を訪れた時、資料を提供してくださったり、歴史研究者で当時、佐渡高校の先生だった田中圭一さんにあわせてくださったのが、この磯部さんだったのです。まだ学生だった私に対しても、かなりの時間を割いて協力してくださったことは、いまでも忘れられない思い出ですが、学生であろうが、有名人であろうが、差別することなく平らに接する人だったことを改めて知り、感動しました。
 磯部さんは元新聞記者でした。退職後は郷土史研究に力を注がれました。とくに世阿弥の研究については有名で、分厚い本としてまとめておられたと記憶しています。磯部さんのような、地域でよく知られている文化人にもっと光をあてないといけないなと思っていたところ、きょうの一般質問で、田村武男議員が佐渡出身(1927年生まれ)で高田農業高校などで教鞭をとっていた数学者で詩人の高野喜久雄をとりあげました。上越市にゆかりのある文化人をもっと紹介し、文化振興を図れというのが趣旨でした。生徒にはきびしく、敬語はきらい。詩は難解だが、「水のいのち」のように「日本の第九」と呼ばれるような作品もあって、来年は追悼コンサートがある。自分の恩師ということもあって、高校時代に見聞きしたことをふんだんに盛り込み、ネットなどで調べたことも加えて、高野喜久雄をじつに豊に語りました。いつも土やベトのことばかり言ってきた人間なので、文化について語るのはどうかと遠慮して登壇したといいますが、文化はカルチャー、耕作、栽培という意味もあります、農業をやっている人こそ文化を語るにふさわしいと思いました。


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概要

2007年06月12日 00:00に投稿されたページです。

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