« まちづくり基本条例で視察受け入れ第1号 | メイン | 越後よしかわ・やったれ祭 »

量出制入

 朝4時半起床。しんぶん赤旗日刊紙と日曜版の配達に出ました。金曜日のしんぶん配達は、作成したばかりの町政レポートを折り込んで配ることになるのですが、その内容に間違いがないか、誤字脱字などはないか、いつも気になります。どういうわけか、このところ、印刷し終わってから大きな間違いを発見し、印刷しなおすことが続いています。
 今週の町政レポートにも誤りがありました。7月にオープンしたばかりの特別養護老人ホームの名前を「よしかわ・ほほ笑の里」と書いてしまったのです。しんぶん配達の途中で「ほほ笑よしかわの里」が正式名称であることを確認しがっかり。でも、そのおかげで、見出しや文面を再検討することになり、改訂版は当初のものよりもパンチのきいたチラシになりました。
 午後からは頸北議長会主催の全議員研修会。全国町村議長会の篠田伸夫事務総長が講師ということなので楽しみにしていました。講演の内容は、例の西尾私案や地方制度調査会中間報告にふれながら市町村合併にどう向き合うかを考えさせるもので、中身が濃くて、とても参考になりました。以下、私がおもしろいと思ったことをメモしてみました。
 平成の大合併の出発点は、平成11年8月の自治省次官通達だったが、ここでは小規模町村つぶしはなかった。ところが平成13年の骨太方針第一弾で、市場原理、競争原理の哲学が強調され、その影響が市町村合併にも及んだ。
 町村の合併は議会の議決を要する。団体意思を決定するということだ。合併の原則は2つある。第一の原則は、自主的に判断すること。第二の原則は、合併はあくまで手段であって、理念のある合併でなければならない、ということ。
 明治の合併には近代化という理念があり、昭和の合併には民主化とい理念があった。昭和の合併では、中学校を経営できる規模にという目標もあった。
 しかし、平成の大合併には理念がない。政府・総務省のかかげる5つの理由も理由にならない。「高齢化社会への対応」は、広域連合がすでにやっている。「多様化する住民ニーズに応えるため」に、外部の専門家集団、NPOを使うことも始まっている。広域課題の消防、ごみ問題も一部事務組合でやっており、問題はない。
 経済と財政は違う。いま、盛んに言われているのは、「歳入に合わせて歳出を考えないと、とんでもないことになる」だが、これは「量入制出」(入るを量って出ずるを制す)の考え方で間違い。大事なのは、「量出制入」(出ずるを量って入るを制す)の考え方だ。国民にとって必要最小限のサービスは何か、それにはいくらかかるか、そのためにはどうしたらいいか、という考え方が重要なのではないか。神野直彦東大教授の財政論に学んでほしい。
 「三位一体の改革」は、地方への財源移譲は先送りし、地方交付税をなくしてしまおうという方向で進んでいる。地方交付税の財政調整の仕組みは重要なもので、国と地方の財政調整をする垂直的財政調整機能と自治体間の調整をする水平的財政調整機能がある。
 現在の「自立しうる自治体=受け皿論」の背景には、「小規模自治体を成り立たせているのは交付税の財源保障機能」だとしてそれにケチをつける議論がある。自治にとっては不幸な話だ。全国で最も小さな自治体は東京都の青ヶ島だが、人口200人の村ですばらしい取り組みをしている。
 地方自治体には「行政体としての機能」と「政治体としての機能」がある。「行政体としての機能」に力点をおいたのが西尾私案だ。「住民は行政サービスを受けるもの」という住民観はおかしい。いまの時代は、住民自体がサービス提供の主体になってきている。阪神大震災のボランテイア活動から「自助、互助、公助」を学んだが、公の仕事を国民もやれるという目覚めが始まっている。


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hose1.jp/mt/mt-tb.cgi/19

コメントを投稿

(TypeKey でサインインしたコメントは即時に、それ以外は承認後表示されます。)

概要

2003年08月01日 00:00に投稿されたページです。

前:まちづくり基本条例で視察受け入れ第1号
次:越後よしかわ・やったれ祭

過去の投稿

小さな町の幸せ通信