« 皮をむいてみないとわからない | メイン | 特別委員会プラス全員協議会 »

牛の手術

 エサのくれすぎか、暑さのせいか、1頭の牛が数日前よりエサをぜんぜん食べなくなりました。獣医さんの診断では第四胃変位だそうです。牛には胃が4つありますが、第四胃の位置が本来のところからずれてしまったのです。それで、きょうは、午後から手術をすることになりました。
 手術することになった牛は体重が約600キロあります。1人や2人では、動かすこともできません。酪農家が町内に10軒くらいあった時は、一声かければ何人も集まってくれたものですが、いまはそうもいきません。それで農業共済組合と農協からそれぞれ1人ずつ応援に来ていただき、手術をしました。私と父も入れて総勢5人の手術体制です。
 
 何日もエサを食っていないので弱っていると思いましたが、どうしてどうして、体力はまだ十分ありました。牛舎内から手術する場所まで引っ張っていく時はなかなか動きません。一番大変だったのは、写真のように寝せることでした。このように倒さないと手術できないのですが、麻酔を打ったというのにふんばってしまい、なかなか倒れてくれません。おかげで、こっちは汗びっしょりとなりました。
 手術はいろいろな話をしながら進められます。獣医さんと応援に来てくれた2人は、昨日は隣町の柿崎町酪農組合の総会に出てきたとのこと。だから、それがまず話題になりました。夕方の搾乳に帰ったのは誰々だけで、あとは全員が1次会から2次会へと連続して参加したとか、カラオケへ行ったとかの話が続きました。
 面白い話をしてくれたのは農協のNさんです。彼は5年ほど前にバイクに乗っていて、交差点でタクシーと衝突。手術をする時に麻酔を打たれたといいますが、手術をしていた医師たちの会話が記憶に残っているというのです。それは、手術をしている最中にもかかわらず、仕事が終わったら焼肉を食べに行こうという話でした。この話を聞いたNさんは、「余裕だな」と思ったといいます。
 さて、手術ですが、約1時間半で無事終了しました。胃の中にガスがたくさん入っていて、「これじゃ、エサ食えないわな」と獣医さん。ガスを抜き、第四胃を正常な位置にしばりつけました。切り口の縫合も終わり、足をしばっていたロープを解こうとした時、この牛は元気なんですね、解き終わらないうちに立とうとして動き回り、大変でした。
 夕方の搾乳前に、手術した牛を牛舎内に連れてきました。その時の牛の足の運びが軽やかなこと、やはり普段、自分が寝起きしている場所が一番いいらしい。私はその歩き方を見て、この牛は助かるな、と思いました。
 


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.hose1.jp/mt/mt-tb.cgi/23

コメントを投稿

(TypeKey でサインインしたコメントは即時に、それ以外は承認後表示されます。)

概要

2003年08月28日 00:00に投稿されたページです。

前:皮をむいてみないとわからない
次:特別委員会プラス全員協議会

過去の投稿

小さな町の幸せ通信