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「家栽の人」の話

 きょうの最大の収穫は、「子どもの権利を考える市民フォーラム」での講演です。講師は元家庭裁判所調査官の佐々木光郎さん、現在は静岡英和学院大学教授です。まったく知らなかった人なのですが、「少年非行と子どもの権利」と題する講演を聴きながら、ある漫画を思い出していました。毛利甚八作・魚戸おさむ画の『家栽の人』です。漫画の主人公は家庭裁判所裁判官の桑田義雄でした。でも、少年審判・家事審判を解決していく時の姿勢は佐々木さんも桑田裁判官と同じで、温かく、感動的でした。違いといえば、植物の話が出てこないくらいです。
 豊富な事例に接してきた人だけに、なるほどと思う話がいっぱい。非行少年たちの食事で共通しているのは、家族一緒に食べないこと、栄養のバランスがとれていないことだ。食をつくるプロセス、すべて生きているものを殺して食べているという意識も無い。事例として出されたのは、毎晩の夕食、1000円をもらってコンビニで弁当とかカップラーメンなどを食べているという話でした。そしてこういう子どもがテレビで「サザエさん」をみていて、この番組を「痛い」と感じていた。とてもわかりやすい。
 非行の根が深い人はイスに座る姿勢に特徴があるといいます。イスから落ちるか落ちないかというくらい浅く座って、手は両脇にだらり。会場の聴講者全員がその姿勢をとるよう求められましたが、壇上から佐々木さんが、「あっ、そこの人うまい。その姿勢です」と何人かを指差していました。私もほめられたひとりでした。ほめる時はちょっとしたことでもほめる。どんなことでも「刑事コロンボ的かかわり」を大事にする。右手にタバコ、左手で頭をかき、4秒間待つ。子どもの、問題だなと思う言動にすぐ反応する大人の一人として反省させられました。佐々木さんの話は子どもと向き合うためだけでなく、人間として生きていく上でのヒントに満ちていました。


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2006年10月29日 00:00に投稿されたページです。

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