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遺影の笑顔

 私が長年住んでいた集落でひとり暮らしの人が亡くなり、きょうがその人の葬儀でした。子どもさんは目が不自由で、奥さんとは20年ほど前に離縁されていた方です。まじめで仕事熱心な方で、地域では信頼されていましたが、家庭的には恵まれないという不運の人でした。このまま人生を終わることになればあまりにもかわいそうだ、と誰もが思っていました。病気が悪化して長くは生きられないということが分かって、誰かが動いてくださったのでしょうか、3ヶ月ほど前、2人の子どもさん、それに別れた奥さんも加わって「お別れ会」を開いたとのことでした。そして、きょうの葬儀、遺族席にはその3人の姿がありました。お母さんの肩につかまり焼香した子どもさん、自席に座った時の目はうるんでいました。子どもさんはおそらく40代でしょう、お父さんと同じく大きくてがっしりとした大人に成長していました。最後の最後に来て家族がひとつになった、故人はうれしかったにちがいありません。遺影の笑顔がとても素敵でした。


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2007年10月29日 23:19に投稿されたページです。

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