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法要、菅井稔作品展

 心に残る何かいいことがありそう。きょうは、そんな予感がぴたりと当たりました。

 親戚・精米所のお父さんの35日法要が終わって墓へ納骨する時でした。お昼ちょっと前の時間帯。墓のある小高い広場には大きな杉が数十本の枝を大きく広げて立っています。ヤブハギの花がすぐそばで咲いています。アブラゼミが賑やかに鳴き、ツクツクボウシがリズミカルな鳴き声を聞かせてくれます。
 骨を入れ終わると、亡くなったお父さんのお連れ合いが「これ、入れなきゃ」と小さな孫さんから寄せられた1通の手紙を広げ、読んでくださいました。「おじいちゃん、病気とのたたかいたいへんだったね。(中略)ぼくは橋爪という名を未来につなぎます」納骨に参加できなかった孫さんがおじいちゃんに出した最後の手紙です。直前にお寺の坊さんから、命をつなぐことをテーマにした法話をお聴きしたばかりです。親から子へ。子から孫へと伝わっていく命を感じました。

 法要、納骨、お斎とすべてが終わったのが午後3時前。お酒もいただくので、その後はゆっくり休もうと決めていました。妻に頼んで妙高市新井まで連れて行ってもらいました。町議時代にたいへんお世話になった菅井稔さん(上越市在住)が流木などを使った作品展をやっているというので、そこへ出かけたのです。「黙々と 木の魂の 声をきく」がテーマ。重度のうつ病とのたたかいなかで出合った流木は彼に前向きに生きることを教えてくれたといいます。菅井さんは流木に「新しい命」を見つけ出し、本来もっているその木の美しさを引き出すために、毎日、削り続けました。「歩く時は下を向いて歩かない。しっかりと前を向いて人の顔を見ながら歩いています」。彼の言葉をきいてうれしくなりました。
 会場では流木を使った作品だけでなく、彫刻の世界に入った初期の作品も並んでいました(画像)。どの作品にも「いのち」があります。力強さがあります。作品展はJR新井駅から徒歩3分の「スタジオゼロ」で9月2日まで開かれています。時間は午後1時から6時まで。ただし、木、金曜日はお休みです。土日は作者もいるそうです。ぜひ訪ねてみてください。

 途中、1時間ほど歩いてきたので、家に戻ったのは午後7時半過ぎ。いい話を聴き、いい作品と出合い、いい汗をかきました。


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2009年08月15日 23:35に投稿されたページです。

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