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議長・副議長選挙で新たな試み

 きょうは臨時議会。注目の議長・副議長選挙などがおこなわれました。朝9時前には議員控え室に入りましたが、緊張感が漂っていました。こういう雰囲気は久しぶりです。9時半を過ぎてからは、議長・副議長選挙に立候補を予定している無所属の会の山岸行則議員、政新の古澤弘議員、政和クラブの早津輝雄議員が各会派の議員控え室を次々と訪れ、「きょうは、よろしく」と挨拶回りをしました。杉本議員に「いつもこういう丁寧なことやっているの?」ときいたら、選挙前に、こういう挨拶回りをするのは上越市議会では初めてだということでした。
 こういう挨拶回りがやられた前段には、各派代表者会議での申し合わせがあります。今回の選挙では、選挙前に候補者が所信表明を本会議場でおこなうことができるとしたのです。すでに19日の夕方までに所信表明届けを上記の3氏が提出していました。これまでの議長・副議長選挙では、誰が出たいと思っているか公にはわからない。どういう考えで議長などの役職に就きたいのかもわからない。普通の選挙では考えられないことが議会という場でおこなわれていたのですから、この取り組みは「当たり前の改革」です。いうまでもなく、こうした試みは上越市議会史上初のこと、議会改革の歩みにしっかりと残ることでしょう。
 「私が議長(あるいは副議長)になったら、こういうことをやります」というのが各派代表者会議で申し合わせた「所信表明」演説です。時間は5分以内。登壇した3氏の演説はそれぞれ力の入ったものでしたが、興味深かったのは、この演説で議長候補2氏の違いがはっきりとしたことでした。
 議長候補の山岸議員は、一党一派に偏らない議会運営をするため、これまで所属していた市民クラブから離脱したことを明らかにしたうえで、「2つの主張」を展開しました。多くの苦難の末に合併した新上越市は合併後1年5ヶ月、人間で言えばまだよちよち歩きの段階だ。14市町村の一体感を醸成していくためにも、ここ2、3年の(市政)運営がカギを握っている。議会はその範を示さないといけない。古い慣習などにこだわり、現状に立ちどまっていてはいけない。新上越市に向けて議会の民主的運営をし、議会改革をすすめていきたい。新上越市はきびしい財政状況にあり、少子高齢化がすすんでいる。自主自立(の市政)が求められている。(そういうなかにあって、議会は行政のチェックだけでなく)さらに一層の政策形成能力を高めていかなければならない。議会としても政策研究の場を設けていきたい。原稿無しの演説は迫力満点でした。
 同じく議長候補の早津議員。先日まで最大会派・政和クラブの代表を務めていました。一番にのべた約束は、「木浦市政を支えていく、これが第一です」でした。新幹線、上沼道路、観光、農業などの課題の重要性をのべ、「行政と車の両輪となっていく」と語りました。次に、新上越市での一体感醸成について触れ、「合併を最終的に承認したのは議会だ。合併で約束したことをしっかり守っていくことが一体感醸成につながる」と主張しました。議会改革については、「つい先だってまで議論されていた議会活性化委員会の答申を実行していく。議員定数については検討委員会を設けて議論していきたい」とのべました。最後にのべたのは、議会の民主的運営に努めるということでした。
 副議長候補の古澤議員は、新上越市の課題について触れた後、副議長になったら議会をどうするかについて、簡潔に語りました。副議長は、議事運営に習熟すると同時に、議会が執行部と対等同格以上に対応できる権威と識見が求められているので、その修養に努める。
議会には行政を監視するという役割と同時に、議会として住民要望を実現するための立法活動などが求められてきているので、議会改革を推進していく。少数意見を尊重し、議会の民主的運営に努める。これらの内容のほとんどは、私たちの議員団と申し合わせたものです。本会議場での「所信表明」でのべたことで、私たちとの申し合わせは彼の公約となりました。
 さて、遅くなりました。選挙結果をお知らせします。議長選は投票総数48。このうち山岸議員が26票を獲得、早津議員は22票でした。よって山岸新議長の誕生となりました。副議長選は投票総数48。このうち古澤議員の獲得した票は35票でした。無効投票は13ありました。当選された両議員には本会議場での公約を守り、がんばってほしいと思います。4票差で議長に届かなかった早津議員、合併協議会準備会の時からの知り合いで、政治的な立場の違いはあっても個人的には親しく接してきました。本会議が再開され、議場に入ってくる時、私と目が合いましたが、ちょっとさみしそうでしたね。


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2006年05月22日 00:00に投稿されたページです。

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