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生の言葉の魅力

 人間の発する言葉は生き物です。するすると出てくることもあれば、やっと出てくることもある。言葉はさまざまな表情を見せてくれますが、大事なことは何を言っているのか、その思いも含めて聞き手にしっかりと伝わることです。きょうの市民と市長の「現場でトーク」で語った吉川区の住民のみなさんの言葉を聴いて、なるほどと思う場面が何回もありました。
 昨年の水害で冠水してしまい通行止めとなった国田地内の県道。市長や関係部長に八木司さんが県道を嵩上げして道幅もとってほしいと訴えました。たまたま数台の大型ダンプが通過して行くのが目に入った八木さんは、「いま大型車は対向車の動きを見て停まって待つか行くかを判断しているが、私たちとしては真ん中に白線が入った道にしてほしいんです」。タイミングよく、しかも「真ん中に白線の入った道」とはよく言ったものです。
 ゴミの不法投棄が相次ぐ吉川区内のある県道では、これまで18回も回収作業をしたという地元の町内会長さんが1回目の訴えを終え、がけ下を見ながらポツリと言いました。みんなで道を歩いて下っていた時です。「冷蔵庫やベッドなどでっけもんも困るけど、一番困ったのは紙オムツだったね。水を含んで膨らんでいて重たくて、しかも臭い」。捨てる人間の良識の無さ、回収作業の大変さが直感できる言葉でした。この言葉にすぐ反応したのは市長です。「しかし、世も末だなぁ」。
 被災した人は目だけでなく音の記憶も残っているんですね。昨年の水害で大きな被害の出た代石町内会の会長の保坂年明さんは、堤防から畑へ、民家へと流れ落ちる水の音を記憶していました。市長を前にして緊張した面持ちで訴えました。「わたしらのとこは2年に1回、水害があるがです。すぐそこの堤防のところから川の水がザーザーいって聞こえたのには本当にびっくりしました」。市長は河川改修のスピードを上げることが重要だと答えていました。


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概要

2006年08月25日 00:00に投稿されたページです。

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